はちみつ・lover
「あなた聞いたわよ。うちの飛鳥と同居し

てるんですって!?」

今度はみんなが「えぇーっ!?」と叫ぶ。

美香に至ってはなぜだか目をキラキラさせ

ていた。

「あ、あのお母様。どうしてそんな事

を?」

「決まってるでしょ。飛鳥から聞いたのよ」

ああ・・・何だかお母さんが彼に問い詰め

ている様子が目に浮かぶわ。可哀想に、飛

鳥・・・

「お母様、あの、私は・・・」

「何が理由でも関係ない。さっさと出てっ

て!」

胸ぐらを掴まれて、唾が飛ぶ勢いで詰め寄ら

れる。思わず後ろに仰け反った。

「じゃ、そういう事で。言っとくけどね、

さっさと出ていかないとどうなっても知らな

いわよ」

お母さんはそんな言葉を吐き捨てると嵐の

ように去っていく。残された私達は全員が

凍りついていた。

「あーあ、葵ってば面白いおばさんに目つ

けられちゃったね」
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