はちみつ・lover
彼と結婚して3ヶ月。彼の側にずっといられ

ると思ってた。それなのに、結婚して初めて

暗雲が立ちこめた。その原因を作っている

のは私なんだろうけど、彼のお母さんほどの

酷い人はなかなか見掛けた事がない。

「ま、彼は入院してる事だし・・・数日く

らいなら、いいよね?」

どっちみち、彼のケガは全治1ヶ月らしい。

だから数日いないくらいでは彼も困らない

だろう。どうせお母さんが毎日お見舞いに行

くんだろうし。


「はぁ・・・」


私は一つタメ息をつくと電話を掛けた。


「もしもし、水無月?」


電話に出たのは早口課長。私は親を理由に

仕事を休む事にした。

「もしもし課長。こんな時間にすみませ

ん。申し訳ないんですが・・・母が倒れて

しまいまして。急遽実家に帰る事になった

ので休ませてもらえないでしょうか」

「ああ、そうなのか。いいぞ」

課長はどこか見透かしたような言い方をす

る。普段ならもう少し心配してくれるの

に。
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