はちみつ・lover



「ふぃ~」


夜になり、私は湯船に浸かっていた。結婚し

てからは週3日か4日は一緒に入っていたか

ら、彼と離れているのを実感して少し寂し

くなった。

「ダメだこんなんじゃ。こんな弱気になって

どうすんのよ」

彼の部屋から出て行かなければならない現

状。これをどうひっくり返すかなんて考えて

も考えつかなかった。


「よしっ、もう私悩まない!」


ウジウジした事を考えるのは自分の性に合

わない。バカみたいに悩んだって、現実と向

き合わない事には何も変わらないんだと気

がついた。


~翌朝~

「おはよ、葵」

「おはよう、お母さん。あのね・・・私も

う帰る」

お母さんは朝一発目にそんな言葉を聞いて

目を丸くしている。それでも私の気持ちは

固まっていた。
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