はちみつ・lover
「何でこんなとこにいんのよ泥棒猫!」

威圧的なオーラに腰が抜けて立てなくな

る。それでも更に追い詰めてきた。

「どーいう事!?結婚してるなんて聞いてな

いわよ!」

お母さんは私と飛鳥を交互に睨む。特に私

を睨む目つきはどこか病的な感じがした。

「うっせーよ!どうせ言ったって母さんは

反対するんだろ!」

とうとう彼までもがキレ始める。お母さん

も負けじと言い返した。

「当ったり前でしょ!あなたにはあなたに

相応しい人がいいの。お見合いした方が絶

対幸せになれるわ」

「押しつけんなよ。俺は葵さんがいいん

だ」

強気な彼をカッコいいと思いつつも、二人

の抗争にハラハラする。彼もお母さんも喧

嘩をやめる気配が全くないので見ている事

しか出来なかった。

「大体な、俺は母さんのそういうとこが大

嫌いなんだよ。周りに何と言われようと、俺

は葵さんと別れるつもりも、追い出すつも

りもない!」
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