はちみつ・lover
「葵さん・・・俺に任せて。口・・・開け

てください」

ダメ。そう思うのに体が言う事を聞かず素

直に口を開けてしまう。彼は私を膝の上に

座らせるとねっとり舌を絡めてきた。

「可愛い・・・素直な葵さんも最高」

「う、うるさ・・・んん」

執拗なキスにいつしか抵抗する事さえ忘れ

て求めてしまう。淫らに舌を絡め合っている

内に息が苦しくなってきた。

「んっ・・・ん、む・・・」

背中を叩くとようやく甘ったるいキスから

解放される。唾液が糸を引いてゆっくりと

切れた。

「すみません。可愛い葵さん見てたら我慢

出来なくなっちゃって」

彼はイタズラっぽく微笑むと軽くキスをして

くる。我に返ってすぐに立ち上がった。

「ご、ごめん!今の忘れて。お願い、なか

った事に」

そう言った途端彼の表情が明らかに変わ

る。彼も立ち上がると私の顎を引き寄せ

た。

「ダメ。もう葵さんは俺のお嫁さんですか

ら」

彼はニヤッと微笑むとそう言った。状況が

分からず頭の中が混乱する。
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