はちみつ・lover
「葵さん、あの後ヤケになってキッチンに

置いてあったワイン飲み干しちゃったんです

よ」


げっ・・・私ってば何て事を。一生の恥だ

わ・・・


彼の言葉を聞いた途端、何となく昨日の自

分を想像して顔がカッカと熱くなってくる。

いくら彼が後輩とは言っても、そんな失礼な

事をしていたなんて・・・想像しただけで

最悪な気分だ。


「ごめんなさい、私ってばそんな失礼な事

しちゃって」

「いいですよ気にしなくて。可愛い葵さん

の寝顔見れましたから」

「嘘っ!寝顔見たの」


彼はペロッと舌を出す。あざとい仕草にとき

めいてしまったのは言うまでもない。


はぁ、私ってほんと単純よね・・・


自分にイラ立って思わずテーブルをバンと

叩く。彼が目を丸くしてこっちに注目したの

でハッと我に返った。
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