はちみつ・lover
「それにしても、今日休みだったね」

「そうですね・・・そうだ。どうせだから

今日婚姻届貰いに行きましょう」

「ええっ!?今日?」

彼の突然過ぎる提案に思わずむせてしま

う。水を大量に飲むととりあえず深呼吸し

た。

「あ、あの、さ・・・さすがに気早くな

い?」

「別にいいじゃないですか。早いところ葵

さんを俺だけのものにしたいんです」

俺だけの、ものって・・・本気なわけ?

私の中にはまだ彼に対する疑念があった。

24歳の会社員がタワーマンションの最上階

に住んでいるのも、私と結婚したがるの

も。今となっては何もかもが疑わしい。


「・・・浮気、しない?」


うわ、何偉そうな事訊いてんだ私。


私は訊きたい事があり過ぎてつい思ってもい

ない事を訊いてしまった。「浮気」って、ど

うやったらそんな言葉が出てくるのよ。私

は自分で自分を殺したくなった。

「そんなの、するわけないじゃないです

か。葵さんの事、めちゃくちゃにしたいく

らい好きなんですよ?」
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