はちみつ・lover
翌朝、私は大量に汗をかいて目を覚まし

た。隣に彼はいなかった。私は気にする事

なく洗面所で顔を洗うとリビングに行っ

た。

     ・・・・・・
そこで私が目にしたもの、それは・・・


え?嘘・・・誰?


彼と一緒に料理を作っている女性。モデル

みたいにスタイルが良くて、顔も男受けし

そうなタイプの美人。


嘘・・・だよね?私の事、好きって言ってく

れたのに・・・


二人は私に気づく事もなく幸せそうに微笑

み合っている。私はショックのあまりその

場から立ち去った。



どれだけ泣いたか分からない。気づけば私

は会社にいた。

「おはよ、葵。一昨日は散々だったね」

美香が心配そうに話し掛けてくる。眉を垂

れ下げた表情は彼女が心から心配している

時にするものだ。

「ほんと散々よ」

本当は美香に様々な事を愚痴ってスッキリ

したかった。彼が意外に腹黒い事も、好き

って言ったのに裏切った事も。
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