はちみつ・lover
・・・やっぱり、現実的に考えて私みたいな

地味女が相手にされるわけないんだってば。


暗い事ばかり考えている内に私が降りる駅

に着いた。腕時計を確認すると既に業務開

始10分前。

「えっ!?ちょっとマズい。いやかなりマ

ズい」

余計な事ばかり考えているせいで仕事にま

で影響が出てきている。私はヒールを履い

た足でムリヤリ走り抜けた。何とか会社に

着いたけど経理課に着いた時には10分遅刻

していた。


「珍しいな。お前が遅刻するなんて」

「す、すみません・・・」

私は入社してから一度も遅刻・欠勤をした

事がない。それだけに早口課長も目を丸く

して驚いていた。

「くれぐれも男を理由に遅刻するのはやめ

とけよ」

「えっ!?何ですかそれ」

「お前、総務の倉持と付き合ってるんだろ?

プライベートは個人の自由だが業務に支障

をきたされると困るんだ」
< 45 / 122 >

この作品をシェア

pagetop