はちみつ・lover
「「かんぱーい!」」

ビールが注がれたジョッキを軽くぶつけ

る。嫌な現実から離れると少しだけ気が楽

になった。

「今日珍しく荒れてんね~、葵。何かあっ

た?」

美香のいきなりの言葉に思わずむせかえ

る。ビールをイッキ飲みするとジョッキを

テーブルに叩きつけた。

「あ~イライラする。同じのもう一杯!」

私のイライラっぷりに女性店員がビクつい

ている。私は構わず声を張り上げた。

「もう一杯って言ってんでしょ。聞こえない

の!?」

八つ当たりしても仕方ないのに、彼女の怯え

た態度にムカついてついストレスのはけ口

にしてしまった。

「あーあ、かわいそー。あの子一生のトラ

ウマになっちゃったかもね~」

隣では既に美香が酔いどれになっている。

とか言う私も酔いが回ったのか気が大きく

なっていた。


「あ~もう!あのバカ男!今に見てなさい

よ~!!!」
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