はちみつ・lover
すぐに酔っ払っていると気づいた彼がコッ

プにミネラルウォーターを注いで持って来

る。それを拒否すると彼を放置してふて寝

した。



「葵さん、葵さん。早く起きないと遅刻し

ますよ」

朝になり、私は彼の呼び掛けで目を覚まし

た。ずっと寝ていたのか毛布が掛けられて

いる。二日酔いのせいか頭がガンガンし

た。

「私はもう休むから、倉持くん一人で行っ

てきて」

到底仕事に行けそうもないので今日は休む

事にした。

「・・・電話出来そうですか?」

彼は既にスーツに着替えている。心配そう

に顔を覗き込まれたが鬱陶しいので顔を背

けた。


「早く行って。私は大丈夫だから」


そう言うと彼が名残惜しそうにこちらを気

に掛けながらリビングを出て行く。私は頭

を抱えながら早口課長に電話を掛けた。
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