はちみつ・lover
「・・・なるほど、そういう事ね・・・」


私は、リビングで彼から散々何があったか

を聞かされ脱力した。


事情を説明すると・・・


私は昨日、酔っ払った勢いで彼に電話を掛

けたらしい。どうやらその時に倉持くんの

事だけでなく結婚の事までペラペラと喋っ

ていたのだそうだ。

「ごめん、迷惑掛けちゃって。話してた事は

忘れて」

「はあ?そんなの忘れようとして忘れられ

るかよ」

・・・だよね。結婚の話まで聞いちゃった

んだもんね。


私はガックリと肩を落とした。まさか酔っ

払って彼に電話していらない事まで話してし

まうとは。「慣れないお酒を飲むのは金輪

際やめよう」、そう思った。


「それに、その旦那とやらを見ないわけに

は帰れるわけねえだろ」


話も早々にさっさと帰ってもらおう。そう思

っていると彼は突然そんな事を言い出し

た。何だか嫌な予感がする。昔から彼は

少々面倒な所があった。
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