はちみつ・lover
「・・・こ、これで・・・いい?」

私は勇気を振り絞って、彼の広い背中に抱き

ついた。そのまましばらく沈黙が続く。た

だシャワーの音だけが響いた。

「・・・葵さんの、胸当たって・・・何

か、恥ずかしいです」

彼の鼓動がバクバクと早いのが分かる。珍

しく耳が真っ赤になっていて、ダメだと思い

つつもからかいたくなった。

「・・・好き、倉持くん・・・」

そう言った途端、彼の顔がこっちを向い

た。頬がほのかに赤くなっている。彼は私

の腕を振りほどくとこっちを向いた。

「バカ!見ないって言ったのに」

「ごめんなさい。もう・・・我慢出来ませ

ん」

彼は私の腰に腕を回すと、首筋に甘い痛み

を走らせる。日野がマーキングしてきた所を

熱心に噛んできた。

「もしかして、あいつとヤッたんですか?」

「う・・・うん。1回・・・だけ」

私はごまかしきれないと思って観念した。

途端に日野(あいつ)の事を忘れてしまう

ほどの熱烈なキスを受ける。唇が離れると

彼があらゆる所を愛撫し始めた。
< 66 / 122 >

この作品をシェア

pagetop