はちみつ・lover
彼はそう言いながらいろんな下着を品定め

している。散々悩み抜いた挙げ句、一着手

に取ると私に見せつけてきた。

「これっ!俺はこれがいいです」

やたらニコニコと嬉しそうにしている。彼

の手にあったのはフリフリのランジェリー

で、ショーツにはリボンがついていてすぐに

ほどける仕組みになっている。ブラもホッ

クどころか紐で固定するようになってい

た。しかもショーツは一部がシースルーに

なっている。

「あのさ~、これ大丈夫なの?薄ピンクだ

よ?恥ずかしいよ~」

「ええ~?ダメなんですか?」

彼はその下着をムリヤリ押しつけると布団

にくるまった。「さっさと着ろ」という無言

の懇願というヤツだろうか。



「・・・く、倉持・・・くん。こっち見てく

れる?」



結局、私は彼に負けて渡されたランジェ

リーを身に着けた。おそるおそる声を掛け

ると、彼は布団から目だけを覗かせる。

「お、おぉ~。最高にいいです!俺の見る

目に狂いはなかったんですね!」
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