はちみつ・lover
二人がまたも喧嘩を始める。付き合いきれ

ないので放置した。

「いいかよく聞け。桜子(さくらこ)には子

供がいる」

日野がそう言った途端、また私と飛鳥の目

が点になる。へえ、名前「桜子」だったん

だ~ピッタリ・・・じゃなくって!


「「こっ、子供ぉ!?」」


飛鳥と私の声がかぶる。だって「子供がい

る」という事は=「妊娠している」という

事だ。

「へえ~、何か・・・早いね」

「そうか?お前らこそさっさと子供作れ

よ」

日野の言葉に、私と飛鳥は顔を見合わせ

る。「子供」・・・そう考えると恥ずかし

くて変な汗が出てきた。

「私達はいいの。二人でいるのが楽しいん

だから」

「あっそ、なら別にいい。じゃーな」

日野は桜子さんを連れると、私達に手を振

りながら屋台の方へと向かって行く。

「・・・私、子供って苦手なんだよね」

「そんなのいいじゃないですか。子供が苦

手だからって俺達の結婚生活に支障はない

でしょ?」
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