はちみつ・lover
今までうやむやにしてきた「子供嫌い」と

いう事実。てっきり彼に言ったら白い目で

見られるかと思ったが、意外にも受け入れ

てくれたので安心した。

「まあどっちにせよ、周りに秘密な時点で

子作りはムリですね」

「ははっ・・・確かに」

周りに結婚を秘密にしている方が都合がい

いとはいえ、現実はなかなかに肩身が狭

い。もしもいいキッカケでもあれば周りに

結婚報告をしてもいいかなという考えもあっ

た。

「・・・とりあえず、俺達も屋台に戻りま

すか」

「うん、そうだね」

私達は手を繋ぐとその場を立ち去った。


その日のデートは、それはそれは楽しく

て・・・もう夢のような時間だった。屋台

で焼きそばを買ったりわたあめを買った

り、彼は射的をしたり。笑って、また笑っ

て。そんな充実した時間だった。そのまま

何事もなく一日が終わると、そう思っていた

のに・・・
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