はちみつ・lover
「お、おい!あんた、大丈夫か!?」

運転手が駆け寄る方に、私もフラつきなが

ら寄っていく。そこにいたのは、頭から血

を流している彼だった。

「ねえ飛鳥!!目覚まして!!飛鳥!飛鳥

ってば!!」

私は彼の襟を掴んで必死に叫んだ。涙でメ

イクが落ちる事なんて気にもせず、魂の全て

で彼に問い掛けた。

「ねえっ・・・飛鳥。生きてるよね?死ん

でないよね?ねえ!答えてよ!」

彼は事故の衝撃で意識を失っている。運転

手は慌てた様子で救急車を呼んでいた。

「すまないな・・・何せ大型だから視界が

悪くて。本当に悪かった。責任は全部取

る」

そんな事言われて、納得なんて出来るはずが

なかった。いくら彼が道路の真ん中にいた

とはいえ、彼が亡くなったらどうするの?

「っ・・・もし、彼が亡くなったら・・・

どう責任取ってくれるんですか?もう・・・

二度と目を覚まさなかったら?」

運転手は何も言い返してこない。ただ苦し

そうな表情をしている。
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