はちみつ・lover
「うっせーよ。放っとけ」

「うるさいって事はないだろう。何だ、彼女

か?」

「だからいい加減にしろよ」

彼は終始機嫌が悪い。普段私に見せる表情

が消えている。人が変わったようだ。


「帰ってくれよ」


彼がお父さんに信じられない言葉を言い放

つ。そしてすぐに背を向けてしまった。

「はぁ・・・すまないね。こいつは昔から

こうなんだ」

「い、いえ・・・」

正直、こういう光景を見せられても・・・

という気分ではある。まあそもそもお父さ

んが原因で彼の機嫌が悪いわけだけれど

も。

「全く・・・仕方ないヤツだな。母さん」


え?母さん・・・?


お父さんがそう呼んだ瞬間、戸を開けて入

って来たのは、それはそれは綺麗な・・・

ん?んん?

じーっと目の前にいる女性をガン見する。

そしてたった一つだけ思った。
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