想えば想うほど
彼が黙っている
どのくらいだったかなんて
今のあたしは
覚えてなんていない
長くても
数分だったと思う
でも
その時のあたしには
何時間の事のように思えた
だんだんと
視界が霞んでいって
夜のライトに
照らされたあたしの目が
キラキラと反射する
だけど
弱いトコは見せたくないから
雫だけは
落とすまいと
必死に瞬きを我慢する
その我慢も
限界に近づいていき
あたしのしたまつげに
雫が乗っかったとき。
あたしの耳に入る
あたしの大スキな
低い声。