空になりたい。

「ひーなた!」

いつも通り学校に向かうと後ろから空に抱きつかれた。

「え!?そら!?」

「おはよ?」

うお。今日もかっこいい…


「…おはよ」


私達は学校まで一緒に行くことにした。


最近暑くなってきたな…

今は6月。


少し蒸し蒸しして暑かったり寒かったりして嫌いな月。


最近は雨ばかりだし…


はー。と私は大きくため息をついた。

「どうしたの?そんな大きなため息ついて。」

空が問いかけた。


「だってこの時期って嫌いなんだもん。」


「なんでー?」

「蒸し蒸しして暑かったり寒かったりさだまんなくて…うろうろしてる…」

自分みたい。


そんなふうに思った。


「えー。俺は好きだけどな。」


「え?なんで?」

「だってさー。うろちょろしてるってことはこれからいくらでも道があるってことだろ?暑くないとダメ!とか寒くないとダメ!って縛られないじゃん?」


なんていう理不屈。

「ちょっと、意味がわからないよ。」


「まあ要するに、いくらでも道があるってことだよ。」

そう言うと空は少し悲しい表情を見せながらも笑っていた。


「1個にしばられない…か…」



空の言葉にはいつも考えさせられるな…


そんなふうに思った。
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