空になりたい。
鳥の鳴き声がした。

外を見ると少し明るくなっていた。

私の手は空の手をにぎったままだった。

病室には機械音がなり続けるまま。

空はまだ目を覚まさない。


ーーーガラガラっーーー

扉が開いて外から太陽さんが入ってきた。

「おはよう。」

「おはようございます。」

はい。と太陽さんは私にお茶を渡した。

「ありがとうございます。」

お礼を言うと私はお茶の蓋をあけてごくっと飲んで口を開いた。

「空は目を覚ましますよね…」

「覚ますよ。きっと。もうすぐ。」

太陽さんは一言一言ゆっくりと話した。

私は空の手をぎゅっとにぎった。

「ひ…な…た?」

空の目が少し開き、口を少し開けながらいった。

「空!?」

「空!医者つれてくるからまってろ!」

そういうと太陽さんは病室をとびだしていった。
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