空になりたい。
第四章
今日から新学期。

楽しみなような憂鬱なような不思議な感じ。

日曜の夜とか新学期の朝とかこんな気分になる。


なんかよくわからない気分。

私の心なんていつもそんな感じ。

自分でも何考えてるのかわからない。



でも逆にそれが居心地よかったりもする。


自分の生き方が縛られてないような感じがするから。


そんなことを思いながら朝の支度を終わらせた。


｢いってきます。｣

そういって玄関のドアを開ける。

｢いってらっしゃい。｣

家族からのそんな言葉を微かに聞き取り歩き始める。


そう。これがいつもどおり。


いつもの生き方。


いつもの自分。


でもそんなあたりまえのように過ぎていく毎日を変えてみたくなった。


あたりまえで“いつも”に縛られてたら楽しくない。


学校までの道のりを走ってみようか。

それともバスで行こうか。

そしたら見える景色が変わるのかな。


例えば友達と歩いてみたりしたら変わるのかな。


“いつも”とは違うのかな。


友達といえば彩香と最近会ってないな。

空のこともあってしばらくスマホは開いていない。

彩香からメールきてて返信こないって怒られるかもな。


｢あ。これいつも通りじゃない｣


いつも通りじゃないことに喜びをおぼえる。


そんなことをら考えていたらあっという間に学校についた。
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