先代の私 でも、、、
「彩華さんが居てくれなければ、朱里がどうなっていたか……。本当に、ありがとうございました」



………。



「頭を上げろ」



渋々といった様子で上げた6代目。



総長の綾人、副総長の静夜、姫の朱里。



幹部の無表情な紫髪黒目の相澤真に、作った笑顔を張り付けた黒髪銀メッシュの石崎光、

短気だけど優しい赤髪モヒカン頭に黒目の和波嵐。



「何を改まってるんだか……。ま、礼も謝罪も受け入れる」



「ですが………」



「それに、昨日の毒牙はお前達には難しかっただろう。最善を尽くしたじゃないか、助けを求めるという」



「………」



黙って俯く6代目。



「静夜が私を起こさなければ、あんな時間に待ってても誰も助けてくれなかったぞ?それに、本当にあと数秒遅れてたらどうなってたことか。お前達の判断は正しかった。それに、ギリギリまで粘ったじゃないか」



「………はい」



「この話はこれで仕舞いだ。な?」



「………」



綾人は何も言わずに居ると、静夜が微笑みながら言った。



「だね!あっ、お姉ちゃん!」



「ん?」



「今日、6代目全員泊めて良い?」



………泊める、か。



これでも風魔家は裏世界の家業だ。



んー、でも世界No.1桜花6代目だしな。



いや、でも実力的にここに長居すると危険な気もする………。



それに、今だって私、結構我慢してるつもりなんだが………。

< 15 / 101 >

この作品をシェア

pagetop