先代の私 でも、、、
だが、それらの思考は一言で絶ちきられた。



「ダメ?」



「良いよ」



コテンと首を傾げ、少し上目遣いでこちらを見つめた静夜によって。



「やったー!じゃあ皆荷物運ぼー!」



静夜がそう言い玄関の方へ向かっていくと、6代目は全員一礼して静夜に着いていった。



………はぁ。



心の中でため息を着く。それはそれは大きなため息を。



あー、静夜の可愛さに負けた………。



可愛い可愛いと愛でるのを静夜が許すから………。



………いや、だが良い機会かもしれない。



私が綾人へと抱く気持ちは、恋愛感情だと思う。



率直に好きなんだ。



理由と言われても、あまり明確には言えないのだが、

朱里が綾人に助けを求めた事、朱里を助けた事を綾人が礼を言いに来たこと。



それを見て、胸が苦しくなった気がした。



その場に居たくなくなった。



客観的に見ても朱里は綾人が好きで、綾人も朱里が好きだろう。



………両思いの2人の間に割り込むなんて出来るはずが無いのだと、

身で実感するチャンスと考えれば良いだろう。



そう自分の中で片付け、立ち上がり自室に入る。

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