先代の私 でも、、、
元々5代目になるのは静夜達であり、

私が継承されたのは6代目が決まるまでの時間稼ぎということだった。



その為に私達5人は5代目となり、適当に倉庫で過ごしていた。



………だからこそ、桜花メンバーの事をスケッチしていたなんて下っ端に知られれば終わりだ。



ちなみに見せたことはないものの、

5代目や、静夜と静司兄は私が桜花をスケッチしてる事も、水彩画やらを描いてる事も知っているが…。



話を戻し、見られていないと思っていた相手に見られていたなんてなれば気味悪がられるに決まってる。



そう思い、バッとスケッチブックを閉じて自室の元の場所に直した。



………そういえば、来てたんだったな。



スケッチが好きなのは、没頭する事が出来るからだろう。

集中して、何も考えずに描けるから好きなのだろう。



ふと思い出した私は、心の中でため息をついた。



忘れるんだ、綾人への思いは。

忘れて、期してしまうんだ………。



「お姉ちゃん!」



っ!?



開いていた襖から顔を覗かせたのは静夜。



「な、何だ?」



「フフっ、脅かせてゴメンね」



謝るなんてそんな。

あー、何て律儀なんだろう。



それに笑顔が無邪気!

可愛い!



そう思ってる間に静夜は私の部屋に入ってきながら言った。



「皆の中居ると、何か緊張してるらしくてどうしよーってなってね?

でも、考えるならお姉ちゃんにも手伝って欲しいなーって」

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