先代の私 でも、、、
その後、作り始めると朱里がジーっとこちらを見てたので、

やってもらいたい事をお願いするとパァッと笑顔になって私の横で作り始めた。



多々失敗していたが、仕上がりは上出来だ。



………それにしても、材料が人数分買い足されてたな。



静夜か?



なんて思いつつ、完成した料理をワゴンに乗せてリビングへと向かう。



ちなみに、居間はリビングの隣にちゃんと別にあるが、

広さ的には変わりなく、強いて言うならリビングは来客と一緒に使う部屋といったところだ。



配膳してすぐ、呼びに行こうとするとタイミングに良く集まってきた静夜初め6代目。



「美味しそうな匂い~」



「ですね」



そんな感じで集まってきて各自座り、手を合わせて食べ始める。



和気藹々とした空気が漂い、久し振りに集まって食べたなと思った。



静夜も静司兄も忙しく、先に食べててと言われてバラバラな食事が続いてた上、

静夜は桜花に、静司兄は出張に出掛けた為1人だったからな。



ーーっ!



口元が緩んで、微笑んでしまっているんだろうか。



和むというか、空気が心地よい。



そんな事を思いながら全員が完食し、手を合わせて片付ける。



あわわあわわと朱里が手伝おうとしていたが、6代目と引き離すのもなと思い残らせた。



全員分の食器を洗い、ふと思い出した。



あの時。

そう、綾人が私に話し掛けたのを静夜が遮ったとき。



あの時の顔は真剣そうだったに思える。

< 28 / 101 >

この作品をシェア

pagetop