先代の私 でも、、、
だがそれでも、私は助言すら正しく出来ない。



静夜の気持ちは計り知れないだろうから………。



「そうっ、だね………」



そう言い、静夜は声を殺して泣き始めた。

声を殺し、すすり泣いている。



「静夜、大声で泣いても私しか居ないぞ?」



「っ!」



私の言葉を聞いたからか、

静夜は私の腰を更に強く抱き締め、顔を埋めながらも大声で泣いた。



そんな静夜を、私はまた撫で始めた。

今度は頭だったり背中だったり。



………。



「……ありがと、お姉ちゃん」



しばらく泣き続け、静夜はニコッと笑顔を見せた。



「これぐらいならいつでも良いさ。溜め込むよりも、こっちの方が良いだろうし」



「うんっ」



そう言い静夜は身体を起こして立ち上がった。



「お姉ちゃん、行ってくるね!」



「あぁ、行ってらっしゃい」



「えへへっ」と言い、静夜は廊下を進んで行った。



足音が完全に聞こえなくなってから、私は身体を引き摺るようにして箪笥の方へと移動する。



ここまで歩いて来たのが、いや家まで帰ってきたのが嘘みたいに、

今は立ち上がろうとすると痛みを感じ、無理をしなくても良いかと身体を引き摺っている。



箪笥の前まで移動し、引き出しを開け肌着に着替える。



足を銃弾がかすっただけで大袈裟だと自分でも思うが、

やはり身体を引き摺るようにして移動する。


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