先代の私 でも、、、
こんなときは、やはり桜を見るのが1番だ。



綺麗に咲き誇る桜。



春しか見れないこの光景を、毎日目に焼き付けている。



それでも尚桜を見るのはきっと、この時間が1番落ち着くからだろう。



しばらくして、歯磨きをしに洗面所へと向かう。



壁に身体を預け、左足を極力使わないようにする。



洗面所へと着くと、洗顔や歯磨きをしてから部屋へと戻る。



廊下の距離がいつもと同じはずなのに、少し長かった様に感じたなと思いながら角を曲がると、

静夜にぶつかった。



途端に一歩身を引いた静夜だったが、私だと認識すると驚いた様な顔をしながら言ってきた。



「居た!」



「あぁ、居るが」



「もぉ!何で勝手に部屋出ちゃうの!心配してたんだから!」



然も当然の様に抱き上げられ、残りの距離を運ばれる。



「良いよこんな距離。それに重いだろう」



「軽すぎなくらいだよ!」



これでも3食きっちり食べてるんだがな。



そう思いながら部屋へと運び込まれ、天蓋付きの布団の上に下ろされる。



「はー」



途端にため息をつく静夜。



「お姉ちゃん、今日の夜気を付けてね」



夜?



「何かあるのか?」



「うーん」



目を反らす静夜。



「まぁお姉ちゃんなら大丈夫だろうし、やっぱり気にしないで」



疑問を残しつつも、気にしないでというなら忘れておこう。

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