先代の私 でも、、、
何やかんやで突き止められたり、

知られたりして襲われるのも日常茶飯事だ。



だが、家………?



そんな事を考えるのが10分の1。



後の残りは、

恥ずかしさや嬉しさなんかが支配していた。



「だから、泣かないで下さい」



そう言うと綾人は私の横に身体を下ろし、顔だけを私の上に残した状態になった。



「えっ、どうし「スースー」………寝たのか?」



規則正しい寝息が聞こえてき、寝てるのが確認出来た。



………。



私の胸に顔を埋め、まるで私を抱き枕の様にしている綾人の髪を撫でる。



今分かったが、髪は後ろで1つに纏めていた。

静夜には負けるが、サラサラだ………。



警戒心の欠片も見せずに安心しきっている。

密着する身体は暖かく、逆に綾人の背中が寒いのではと心配になってきた。



回りを見れば掛け布団がギリギリ手の届く位地にあったので、

どうにか取って綾人の上に被せた。



夜這いと言えるか言えないのか分からないが、

静夜以外で初めてだな、夜に私の部屋に来た男は。



告白されたのも、キスされたのも初めてだ。



………そういえば、静夜が言ってたな。



渡したくないとか、夜気を付けてねとか…。



綾人の事だと思って良いだろう。



何故静夜がこの事を分かったのかは不明だが、今日はとにかく寝よう。



いい加減、眠…い………。

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