先代の私 でも、、、
何時に起きるのかは不明だが、

あのまま寝てるのも…恥ずかしいし、もし見られでもすれば余計恥ずかしい。



………私が綾人とカップルになったのなら、朱里は失恋した事になるんだよな。



悪いと思いつつも、やはり譲りたくないと言うのが大きかった。



襖を閉め、厨房へと向かう。



足の痛みも昨日よりずっとマシだ。



いつものように廊下を進み、厨房に着いた。



適当に朝食の用意を作り出す。



米は昨日の残りがあるし、味噌汁も昨日のものがあ………る。



………やっぱり、献立変えるべきか。



だが残り物が………。



うーんと悩んでると、パタパタと走ってくる足音が聞こえてきた。



目を向けると丁度厨房へと入ってきた時だったらしく、それが誰かすぐに分かった。



「朱里?」



「………っ」



目が合ってすぐ顔を反らされ顔を歪められた。

うん、地味に傷付いた……。



「彩華さんっ」



目を閉じて傷付いてたが、名を呼ばれて顔を上げる。



そこには、私を強く見据える朱里が居た。

今までと違う雰囲気だ。



「綾人…君を、私から…取ら…ないでっ」



朱里でも言うか、やはり。



恋敵の様な存在なんだろうな、私は。



「ずっと…、ずっと好きだったのっ!」



そう大声で言った朱里。



ここからでは客間の静夜達にも、私の自室に居る綾人にも聞こえないだろう。

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