先代の私 でも、、、
「………お姉ちゃん、僕…まだお姉ちゃん離れしなくて良い?」



っ!

泣きそうな声で言われた。



そんなのっ、そんなのっ。

「良いに…決まってるだろ?」



「良かった……」



そう呟き、スリスリと顔をお腹にしてくる静夜。



……お見合い、か。



連絡は無意味に近いだろうからな。

明日か明後日頃には帰ってくるだろうが、こういう話は早めに断りたい。



不快だ、とても。



綾人がせっかく想いを告げてくれたのに、そんな見合いの話などっ。



そんな事を考えつつ、スリスリする静夜の頭を撫でる。



サラサラの髪。

やっぱり、静夜の方が髪質的には柔らかいな。



綾人も同格だが、タイプが違う気がする。



そんな、怒りの様な事と穏やかさや平和的な事を考えている。



……静司兄には悪いが、見合いは断らせてもらう。



携帯でそうメールを送った。

待ってみたが既読すら着かないため画面を閉じ、直す。



静夜の頭を撫でながら、窓の障子を開ける。



………確かに、ここからの景色も良いな。

今度、描きに来よう。



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