僕と城矢君の平行線は。
まだ6月なのに外の空気は蒸し暑い。

そしてグラウンドも。


「よっしゃぁああ!!行けー!!」

「そう簡単にいくかよ。」

「ぐぁっ!」

「田中!逃げろ!」


男子は凄い。

実は女子も戦うと血の気が多かったりする。

でも男子ほど盛り上がることはない。

なんでそこまで熱くなれるのか…。



ドッジボールに。



僕は体調不良という設定だったから参加はできない。

別にしたいわけじゃないよ。

もししたら最後まで残るか、自分から当たりに行くかの2択しかないから。


僕は男子と太陽の熱から逃げるため日陰に移動した。

木に寄りかかり膝を抱えて座り込む。

要は体育座りだ。

木の葉から光が溢れ落ちる。

日向と違い、調度良い温度の風が吹くから眠くなってしまう。

ぼーっとしてきた頭でできたことは、ただグラウンドの風景を見つめるだけ。

元気にはしゃいでいる男子。

その横で群れて話し込んだり、応援したりしている女子。

もしかしたら僕もそこにいたのかな。





「まこ!早く!」


あれ、これなんだっけ。

なんか知ってる気がする。


「ねぇ、まこ聞いてよ彼氏がさぁ。」


そうそう彼氏の相談だっけ。

あれ?誰の??


「やっぱりまこに相談して良かった!」

「さすが私の親友だよ!」


君は誰?誰だっけ。

誰、だれだれダレダレダレダレ。



「あんた最低だから。」

「絶対に許さない。」


なんで…?


「あははっ!お前みたいなやつ、みんなに嫌われればいいんだよ!!」


なんで僕は__

__私は何もしてない…!

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