僕と城矢君の平行線は。
「佐藤先生いる?」
「いない。」
会話はここで終了。
お互いに沈黙が流れる。
少し、いやかなり居心地が悪い。
僕はちらっと横目で確認した。
あの失礼な男子生徒はなぜか僕の事をじっと見ていた。
居心地が悪い原因はこれか。
「佐藤先生は職員室ですけど。」
少し睨みを効かせて言う。
でも男子生徒は気にしていないのか、さっきと変わらず明るい声で話してくる。
「星南さんはどうして保健室に?」
佐藤先生に用事じゃないのか?
なぜ僕。
小さくため息を吐く。
適当に言えばいいか。
「体調不良。」
「そうなんだ。俺は身体測定の紙を出しにね。」
聞いといて、そうなんだって何。
というかこの人は誰なんだ。
僕は周りと会話をしないから、名前とか覚えていない。
それで苦労しないのだから別に良いだろう。
早くこの人には退散してもらって、僕は奥のベッドで静かな睡眠を楽しもう。
「佐藤先生はいないから、君ははや__」
「君じゃない、俺の名前は城矢翔。」
心当たりがない。
クラスが違うのかも。
「俺、同じクラス。」
まったくもって記憶にない。
あれ?
僕、話したっけ?