社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
御両親はアメリカに住んでいるし、誰なんだろう?


まさかのシェアハウス?


でも、毎日の様にお弁当が用意されているって言ってたし…?


兄弟とか?姉や妹とか?


しかし、麗紗さんの様な美人過ぎる女性の存在が出てきたらと気が気じゃなくて落ち着かないけれど、当日までのお楽しみにするしかないかな…。


「両親は渡米してるし、誰と住んでるの?…って聞きたいんでしょ?和奏の顔を見てればバレバレだから。遠慮なく聞けば良いのに」


「聞いたら教えてくれましたか?」


「……さぁ?どうかな?和奏の驚く顔が見たいから、当日まで言わないかも」


「うぅ…、やっぱりそうですよね。まぁ、最初から教えてくれると思ってなかったけど…」


意地悪そうな笑みを浮かべて、私を見てはからかって楽しんでいる。


先に食ベ終わった相良さんは私に甘味のメニューを差し出したので、ついつい誘惑に負けてしまった。


箸の使い方を気にしつつ、海鮮丼の定食を間食した後、小豆とホイップクリームが添えてある抹茶アイスを食べつつ、別な甘めのカクテルをお代わりをした。


一匙すくい上げて「抹茶アイス食べます?」と聞いたら、私のスプーンを持つ手を掴み、自分の口まで運ぶ。


「結構苦い…」と言い、唇を舌先で舐める仕草が何とも言えない色気を放っていて、私は目が離せなかった。


職場では見せない裏の顔を独り占め出来るのは彼女の特権。


食事を済ませ店の外に出ると、少しホロ酔い気分の私はもっと独り占めしたくて相良さんの左腕に右腕を絡ませる。
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