社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
いつもならカフェオレを好む相良さんが紅茶を飲みながら、意地悪そうに言葉を私に投げかける。


じぃっと顔を見つめられ、私は思わず目線を外してしまった。


これじゃ、まるで…"相良さんの投げかけた言葉は間違ってないよ"と言ってる様なもんだ。


「だ、誰がっ、そう思ってたって…私はそう思ってないですから…気にしない事ですよ…」


「フォローありがと…」


クスッと笑いながら手を伸ばして、私の頭を撫でて、髪をクシャッとする。


フォローになんて全然なっていなかった。


「…まぁ、誰とも関わりたくなかったから、無口なままでいようと思ってた。冷酷と言う噂があったからこそ、誰も寄って来なくて丁度良かったんだけど…」


「何で誰とも関わりたくないんですか?」


「…相良良一の息子だとか、花野井家にお世話になっているとか、知れ渡るとめんどくさいでしょ?小学校時代から散々、それでからかわれて一生つきまとうのかと思ったらうんざりしてたし。うんざりしてたのは相良良一の息子の件だけど…。
職場では花野井家にお世話になっていると言う噂が立つと花野井家に迷惑がかかるから、人と関わりたくなかった」


「…そう、でしたか…」
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