社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
「職場では冷酷だし、年上に見えるから、誰も近付いてこない。そんな中で和奏に告白されたのは驚いた…」


「…毎日、受付で見かける相良さんは凛としてカッコ良くて、身の程知らずだけど、いつの日か、声をかけようと思ってたんです」


「…少しずつ近付けたらと思って、とりあえずは挨拶から始めたんだ。初恋の人に再会したからって、中学生みたいに内心ドキドキしながら話しかけたりして」


「私達、相思相愛でしたねっ」


「…………」


最終的には無言で終わってしまったけれど、相良さんの本音が聞けて嬉しい。


無言のままだし、先程の副社長の話の時みたいに照れているんだってすぐに分かる。


そんな相良さんの膝の上で、飲みかけの紅茶に手を伸ばして飲む。


冷めてしまったけれど、美味しい。


紅茶を飲みながら、背中に相良さんの温もりを感じていると…玄関のチャイムがなった。


「ちょっと行ってくる…」


相良さんにヒョイっと持ち上げられ、隣側に移動させられる。


お客様がいらっしゃったみたいだから、食器を片付けなくては───……


食器を持ち、キッチンの場所を探り当てる。


キッチンを何となく探し当て見渡せば、広すぎるし、まるでドラマで見たレストランの厨房の様だった。


さすが、花野井家。


この様子だとトイレや浴室も凄そう…!
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