社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
感動していると聞き覚えのある声がした。


「くるみちゃん、こんにちは。お昼ご飯を一緒に食べよ?」


「秋葉さん!?…えぇっと…」


突然の秋葉さんの登場に戸惑いを隠せずにいると「これから有澄君の部屋の荷物整理するんだって」と相良さんが言った。


勿論の事だけれど副社長も一緒に居て、秋葉さんが持参した手作りのサンドウィッチとおかずのお弁当を四人で食す。


「それじゃ、後は留守番よろしく」


「うん、分かった。またね、胡桃沢さん」


たわいのない会話をし、お弁当を食べ終わり、食器も片付けた後に相良さんは副社長に留守番を頼んでいた。


副社長と秋葉さんに見送られ、強引に荷物と身体を車に乗せられて出発。


泊まりに来たのにどこへ向かっているの?


副社長達が来たから、まさかの強制送還?


「相良さん…私はどこへ……!?」


「…さぁ、どこでしょう?」


意地悪そうに微笑んだ後、行き先と理由を教えてくれた。


社長夫妻が居ない日に副社長達が荷物整理に来る事は以前から決定していた。


普段から家を不在に出来ず、染野さんが居ない日は相良さんが留守番していたらしいけれど、今日は留守番を副社長達に頼んだらしい。


一石二鳥だと相良さんは言っていた。


「たまには息抜きも大切だと思うし、温泉って行った事ないから良いかなって思った」


「いつも突然だから驚きます!言ってくれれば良かったのに!」
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