社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
いきなりの温泉旅行に驚き、サプライズ過ぎて思考がついて行けません!


「…副社長にとっては実家だけど、俺の実家ではないし、御両親が居ない日に泊まるのは和奏が心苦しいんじゃないかと思っての配慮なんだけど!ホテル泊まるなら、温泉でも良いかなって思ったんだ」


「配慮は有難いんですけど…私はお金ありませんし…」


嬉しいけれど、ギリギリ生活の派遣OLは贅沢出来ないのが本音で、最近では節約を重ねてデート服を買うのが精一杯。


相良さんに出して貰ってばかりじゃ申し訳ないので自分でもお金を出そう、とは常日頃思っているのだけれども、先に支払われたり、断られる事が日々ある。


「勝手に予約したの俺だから全額出す。それに…趣味もないし、和奏に使う位しか使い道がないんだから別にいいじゃん。結婚して子供が居る訳じゃないんだから…。ある程度の貯金もあるし、家庭持ったらもっと節約するよ」


「……相良さんって、結婚…したい人?」


「男だから結婚願望はないけど、いずれは円満な家庭を持てたら良いな、とは思う」


「……ふぅん、そうですか…」


話して行くうちに白熱してしまい、議論の内容がブレてしまっている。


結婚の話にまでなるなんて・・・。


「思春期迎える前には両親が渡米してしまったから、家族が離ればなれにならない様に暮らすのが理想。理想を叶えてくれる誰かが居れば良いんだけど…ね?、和奏?」
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