社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
運転しながら、サラリと凄い事を言ってのけた相良さんは平然としている。


一瞬、ドキッと胸が高鳴った。


まるでお嫁さんに来る?せみたいな問いかけにズルいと思いながらも、顔は熱を持つ。


相良さんの理想は、当たり前の様で簡単な事ではない。


お互いの信頼性、仕事関係、はたまた子供が出来れば子供自身の事情だってある。


表に出さないだけで、相良さん自身はもっと御両親に甘えたかったのだと思う。


幼き日々は取り戻せはしないから、未来に託したいのだろう。


「…相良さんはマメだし、良い家庭を築けると思います。奥さんになる人は大切にしてもらえますね」


職場での落ち着き様からは想像出来ない程、無邪気な時もあれば、エスコートもしてくれて、二人きりな時は飛び切りの甘さをくれる。


子供に対しても、子煩悩なパパになりそうだ。


「…そんな日が来ると良いけどね」


ボソリと呟いた相良さんは少しだけ微笑んだ。


これから先の未来も相良さんと一緒に歩んで行けたら嬉しいなと心から願う。


窓の外を眺めては未来を想像する。


ずっとずっと、一緒に居られますように───……
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