社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
ベリッと言う効果音が聞こえそうな位に布団がいきなり剥がされる。


頭の先から足の指先まで、身体全体に被せられていた布団が軽々しく、我が身から剥がされた時、ベッドから先に出た相良さんがすぐ側に居た。


「…体調悪い…とか?」


「……わ、悪くないです!元気です、けど…!」


相良さんがベッドから出た後も私は起き上がる事もせずに、乱れた浴衣のままで布団の中に居たけれども布団を容赦なく剥がされて顔を覗き込まれる。


体調が悪い訳ではないので、相良さんを見た途端に赤面してしまい、問いかけに対して変な返し方をしてしまった。


否定をし首を横に振ると、溜め息を一つ吐いた相良さんに抱きかかえられ、フワリと身体が宙に浮いた。


「…っひゃぁっ」


「…全くしょうが無い人だ」


既に私服に着替えた相良さんは私をお姫様抱っこして、椅子まで移動させた。


「ロビーで待ってるから、準備が出来たらおいで」と言われ、先に出て行ってしまった相良さん。


どこまでも甘やかされ、朝から顔の火照りはとれないし、胸の高鳴りも半端ない。


いつまでも意識をしてしまい、顔をまともに見れずに居た私だったが、準備を済ませて朝食会場に向かうと美味しそうなブッフェに顔が緩んでしまい、相良さんにクスクスと笑われた。


その後は意識し過ぎずにリラックス出来て、「本当に美味しそうに食べるよね」と相良さんにからかわれながらも過ごした。
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