社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
刻一刻と時間が過ぎ、チェックアウト後は観光地を巡りながら帰路に着いた。


別れの時はいつも以上に名残惜しく、相良さんを解放してあげられずに困らせる。


「…和奏が好きな"相良さん"は優しくしてあげられないから、覚悟してって以前も忠告したはずだけど…?それでも、まだ一緒に居たいの?」


私の我儘によりアパートの玄関先まで送り届けてくれたが、まだ離れたくない一心でギュッと相良さんのトップスの裾を掴んで静かに頷く。


歴代の彼氏なんか目じゃない位に格好良く、沢山甘やかしてくれて…そして何よりも可愛いと何度も言って抱きしめたり、頭を撫でてくれる相良さん。


初恋の人だと言って、私の事を探し当ててくれた相良さん。


今なら自信を持って、相思相愛なんだと胸を張って言える気がする。


「…あんまり煽んないでくれる?我慢していた分、手加減出来なくなる」


「………?我慢?」


「俺だって男だから、好きな女性には触れたいのは当たり前だから。一度してしまったから、和奏がより一層可愛くて歯止めが効かなくなる」


深く深くキスをして、再び大人の関係へと進み、堕ちていく私達。


昨日の夜は酔いに任せてした行為だったが、今は違う。


思考回路がまともに働いている今、相良さんの体温や表情、息遣いなどを間近で受け止め、艶っぽさに終始、胸が高鳴る。


「……相良さぁん、もう、っやぁ」


「和奏が煽ったんだし、途中で止めるつもりは無いから。責任は果たして貰う」


追い詰めても、なお高みを押し付けて来る相良さんはSそのモノ。
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