社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
「…っう、結婚に子供とか!幸せ過ぎて不幸が訪れたらどうしましょ?」


「これ位で不幸が訪れるなら、とっくに地球は滅亡してるよ」


自分の答えに対して、運転しつつ笑いを堪えている相良さんはどことなく可愛げがある。


ポーカーフェイスを崩したくないのか、あまり笑わない相良さんだけれど、我慢しないでもっと笑ったら良いのに。


「……有澄君が先に入籍しない事には先には進めないけど、近い内に和奏の御両親の所に御挨拶に伺いたいと思ってるよ」


「わ、…私なんかで良かったら結婚して欲しいですけど!でもでもっ、付き合い始めたばかりなのに…本当に良いのかな?」


「俺が和奏を束縛したいのもあるんだけど…結婚すれば、誰にも遠慮せずに堂々としてられる。付き合いの長さじゃなくて、これからも一緒に居たいと思ったから結婚の選択肢も良いかなって思った。……まぁ、和奏次第なんだけど…」


これから先の未来を考えてくれているからこそ、社長や副社長に私の事を紹介してくれたり、今後の住む場所の事も親身になってくれているんだ。


私にとって相良さんはかけがいのない存在になってしまっていて、破談する未来など考えたくもないので、独り占め出来たりするのは心から嬉しい。
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