社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
「……冷酷な相良さんは実は激甘なんですよーって最後に皆にぶちまけたいですが、私だけの秘密だから内緒にします」


「どうぞ、御勝手に。その代わり、その相当の対価を明日貰うけど良いの?」


「………?対価?」


「冷酷らしい相良さんは明日、和奏を泣くまで貶めようとして寝かせるつもりは無いですが良いですか?」


「……や、やですー。ちゃんと寝たいです」


「そぉ?じゃあ、内密に」


最近の溺愛っぷりは自分で言うのも恥ずかしい位に半端なくて、相良さんが泊まりに来た時は濃密で甘美な時間を過ごし、翌朝に起きられない私の為に朝ごはんまで用意が出来ている。


どこに出かけるにも送迎付きだし、仕事帰りも可能な限りで送ってくれている。


こんなに過保護に溺愛されて良いのでしょうか?


「……じゃ、良いお年をお迎え下さい」


「あ、わざと言ってるーっ!」


おでこに軽く触れるだけのキスを落とし、抱きついた身体をベリッと剥がされて、クスクスと笑いながら立ち去る相良さん。


「これから先も…退勤押したら可愛がってあげるから大人しく待ってて」


去り際に耳元で囁かれた言葉が、心の中を侵食する。


付き合って居るのに相良さんの妖艶なギャップに翻弄されて、毎日の様にドキドキが止まらない。


顔を赤らめながら掃除に集中するが思い出すのは、相良さんの事ばかり。


一生に一度、溺れる恋愛があったとしたら、それが相良さんとの恋愛なのだと思う。


見かけは冷酷な眼鏡男子に溺愛されているだなんて、誰にも想像つかないかもしれないが…それは私と相良さんだけの秘密───……



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