社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
相良さんを思う気持ちが私を前向きにさせていると思うんだ。


「お疲れ様です。あっ、秋葉さんに副社長もお疲れ様ですっ」


会社の駐車場に来てとの事で浮き足立ちながら向かったのだが、そこには相良さんの他に秋葉さんと副社長の姿もあった。


「ごめんね、邪魔するつもりはなかったんだけど…仕事が遅くなってしまい、相良が送ってくれるって言うから…」


「いや、言ってませんよ。副社長はただ冷やかしに来ただけでしょ?」


「冷やかしだなんて、酷い言い方…」


相良さんと副社長の掛け合いが面白くて、思わず笑う。


電話口のザワザワした感じは、副社長と秋葉さんが一緒に居たからだと確信する。


「胡桃沢さんて、相良の何が好きなの?」

「あーりーと、本人の前でそんなにストレートに聞かれて答えられる人なんて居ないでしょ?ごめんね、胡桃沢さん、気にしないでね」


副社長の質問にドキリとしたが、秋葉さんの言葉で救われた。


まだ面と向かって好きな部分を言えるような関係ではないので、黙り込むしか出来なかっただろう。


「相良が興味のある女の子って、俺も興味があるよ。相良は俺にだって色々と秘密主義だけど、胡桃沢さんだけは隠さなかったから。そっか、相良はちっちゃくて可愛い子がタイプだったのか…」
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