社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
定時になり、受付嬢としての仕事は終了。


空いた時間に会議室の掃除をするけれど、相良さんは現れず…もしかしたら避けられてるのかもしれないと思った。


告白にしてから、何日間、話をしていないのだろう?


7月の終わりに告白をして、時は既に8月。


小さく溜め息をつきながら帰り支度をし、社外に出ようとしたら呼び止められた。


「お疲れ様です。胡桃沢さん、もうすぐ勤務終了になりますので待っていてもらえますか?」


外回りから帰って来た副社長と相良さんにすれ違い、声をかけてきたのは副社長だった。


副社長と話をする機会もなかなかないので嬉しさもあったが、相良さんが隣にいるのも関わらず何も発さない事に落ち込みを隠せなかった。


「かしこまりました。では、社員食堂横の自販機スペース辺りに居ます」


相良さんの顔は見れずに一礼をして過ぎ去る。


何故、副社長が待つようにと声をかけてきたのかは謎だった。


自販機の横にある休憩スペースに座って待ち、15分が過ぎた頃に相良さんは一人で現れた。


「お待たせしてしまい、申し訳ありません。退勤押してありますので、胡桃沢さんがお時間に余裕があれば少し話をしましょうか?」
< 4 / 166 >

この作品をシェア

pagetop