社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
会計を済ませた相良さんは「はい」とさり気なく、ぬいぐるみの入ったお土産の袋を手渡してきた。


「ありがとうございますっ」


「…物欲しそうな顔してたから」


「どっちも可愛くて迷ってました」


「大人になっても、ぬいぐるみって欲しいの?」


「欲しい…と言うか、今日の記念にしたかったんです」


えへへっと笑い、受け取ったぬいぐるみの袋を抱きしめる。


今日は初めての昼間デートだったから、乙女心により、記念になる物が欲しかったの。


結果的に記念になる物は、相良さんからの贈り物にもなった。


大切にしなきゃね。


「帰りも水上バスに乗る?」


「乗りたいですっ」


「まだ時間があるから、もう少しだけ館内を見よう」


第1日目は私が計画すると決めたはずなのに、フタを開ければ相良さんにエスコートされている気がする。


その後の流れも海辺に立ち寄り、夜はショッピングモールの中にある夜景の見えるレストランで食事をする事になった。


「ここのレストラン、魚介づくしですね。ペスカトーレ美味しそう…」


「和奏が好きなの頼んでシェアしよう」


「相良さんは何が好きですか?エビのサラダが美味しそう…」


「じゃあ、それで…」
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