社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
微笑を浮かべて私を眺める相良さんは犯罪級に甘くて、目が合っただけでとろけちゃいそうになる。


社内と社外でのこの変貌の違いに戸惑うばかりで、キュンキュンしっぱなし。


カフェを出た後は自宅アパートまで送ってもらい、楽しかった時間に終わりを告げる。


「また明日…」


「今日はありがとうございました。また明日…。おやすみなさい」


「おやすみ」


玄関先まで送ってもらったが部屋に入る素振りはなく、いつもみたいに頭を撫でられただけだった。


その先にあるものを心の奥底で期待していたけれど何もなく、はしたないが、ちょっとガッカリした様な気分。


今日はキス…しなかったな…。


お外デートは密室ではないし、する場所もないのは分かってはいたのだけれど…。


触れたい、独占したい。


こんな感情は初めてで、欲ばかり出てくる自分に嫌気がさす。


会う度に好きになっている。


明日会えば、もっと好きの気持ちが膨らむ。


人生初、恋愛に溺れちゃいそうです───……
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