社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
スマホで上映時間を調べて、現在地から近い映画館まで行った。


「最終章とか言いながら、まだ続きそうな感じがしました…」


「最終章は"章"であって、最終回ではないからじゃないの?」


「そっかぁ…そうですね。だったら、まだ続くんですね…。次がいつだとかも表示されなかったし、もどかしいですね」


映画上映が終わり、ラストに納得がいかなかった私は思わず愚痴をこぼしてしまったが、よく良く考えたら、相良さんの言う様に最終"章"だったのでまだ続きそうなラストでも仕方がない。


「……続きが上映されたら、また来ればいいでしょ?」


「…はい、また来ましょうね」


「うん。でも、ドラマ見てなかったから、よく分からない部分もあった」


「えーっ!?最初に言ってくれれば良かったのに!ごめんなさい…、今度レンタルして一緒に見ましょ」


今更ながら、話の流れでドラマを見てないと言い出した相良さんは、完全に私に合わせてくれただけだったと知る。


映画館に着いた時もそんなに待ち時間はなく、すんなりと見る事が出来た。


まるで、仕組まれたかの様な時間の繋ぎに疑問が生まれる。


「相良さん…、もしかしてですけど…ノープランとか言いながら、全部調べてましたか?余りにもスムーズ過ぎるんで変ですって!」


「………。うん、まぁ、…副社長の秘書ですから、計画性には優れてますよね」


驚いた顔をしている私を見て、笑いをこらえている相良さんは面白がる様に言った。


「き、昨日から、私はスムーズ過ぎるとは思ってましたが…!」


「……暑いから、スムーズに事が進んだ方が良くない?」
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