社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
穏やかなメロディーに洗練された歌詞、知らぬ人は居ないだろうと言う国民的人気のバンドの曲が流れる。


「…このバンド、副社長の趣味です。普段は送り迎えする事もありまして、車内を勝手に私物化するので困ります」


確かにこのバンドのCDがいくつも車内に置かれている。


「へぇ…そうなんですか。私もこのバンド、結構好きですよ。相良さんはどんな歌手が好きですか?」


「…あえて言うならば洋楽を好みます。でも本当は何も考えずに済むので、歌詞の無い曲が好きです」


「クラシックですか?」


「クラシックも好きですが、演奏者がいるバーでジャズピアノを聞くのが好きです。車内では副社長の好みか、居ない時は洋楽を聞いたりします」


上手い事、話の流れが出来てきている。


洋楽とジャズピアノが好きだなんて、気品溢れる相良さんにイメージがピッタリはまる。


「…たまに行くバーがあるのですが、そこで良いですか?落ち着いて話が出来ると思います」


「はい、お願いします…」


相良さんとバーに行くだなんて、予想しなかっただけに胸が高鳴る。


どうしよう、嬉しいけれど…ドキドキが半端ない。
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