社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
「御名答…、と言いたいところだけどドラマ以外は見るよ」


些細な質問から広がる、お互いが知らなかった事実。


昨日から一緒に居るから、自然と緊張も解けてきて徐々に打ち解けてきている。


「…ニュースとか?真面目なヤツ?」


「…普通にバラエティとか見るよ。まぁ、暇な時に物寂しくてかけてるだけだから見てるのとは違うのかもしれないけど…嫌いじゃないよ」


バラエティ番組を見る相良さんは想像が出来なくて、失礼かもしれないけれど…吹き出すように笑みがこぼれた。


そんな私を見て、少し離れた場所に座っていた私に手を伸ばして引き寄せて囲う。


肩を抱き寄せられて、身体が密着して顔も近い。


私の肩にかけられた腕で身動きが取れず、三角座りをして縮こまる。


ち、近すぎてドキドキ感が半端ない。


「和奏が思っている俺のイメージは"相良さん"なんだろうけど…、それは作られた幻想であって、本当の俺は…」


右手でゆっくりと頬を撫でて耳の後ろに手をかけられ、お互いの目線が合ってから目を閉じると優しく触れるだけのキスをした。


「タダの男だって事を忘れないで…」


唇が離れるとそう言い残し、再び唇が触れた時はフローリングの床に敷いてあるラグマットの上に押し倒されていた。
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